CUBE
立方体のキューブの中に入れられた男女が、罠をかいくぐり脱出を試みる話。
私が面白いと思ったのはこの映画はすべてキューブの中で完結するところ。登場人物がキューブに入るまでの生活や状況を語るシーンがあるが、そこの映像は出てこない。始まりから終わりまで外の世界の映像が出てこないので、自分もキューブに入ったような感覚で楽しめる。
キューブは大きな立方体でこれがいくつも存在し、上下左右に続いており隣に進んでもまた続いている。掛かると死んでしまう罠を見破っては次に進み、出口はどこなのか、そもそも存在するのかという答えの見つからない疑問を持ちながら進んでいくところが怖く、面白い。
登場人物は性別、年齢、職業、性格も様々。協力して脱出を目指すが、すれ違い・意見の食い違いが出てくるところも見どころ。死ぬかもしれないという極限状態なので人間の嫌な部分が見えてくる。このような状況になると、人は他人をだましたり、蹴落としてまで生き残ろうとしたくなるものなんだなぁと感じた。面白いのは、このままキューブで死んでいくという絶望を感じ諦めたときにも、脱出できるかもしれないと希望を感じたときにも他人のせいにしたり、罵ったり、他人を蹴落として自分を優先させたくなる人間の黒い部分が現れるというところである。
また、脱出のためになぞ解きをし糸口を見つけて答えに近づいていくところも面白い。登場人物に秀才がおり、キューブの謎を解明していきどんどん進んでいくところは応援しながら見ていた。私は天才的な頭脳を持った登場人物がいる話が好きなので、この部分は本作でも好きなところである。
絶望的な状況の後に、希望を感じられる瞬間があり、ハラハラする場面もあるので感情が上下しながら見進められる面白い作品だった。